mamaと絵本
2月22日は、「にゃん、にゃん、にゃん」のごろ合わせで、「ネコの日」です。
今回はこれにちなんで、ネコが大活躍する絵本から、ふたつのシリーズをご紹介します。
工藤ノリコ
出版社:白泉社
8匹のノラネコたちが毎回大騒動を引き起こす、愉快な絵本シリーズ。写真は最新刊の『ノラネコぐんだんカレーライス』です。
ひとつめに紹介するのは、「ノラネコぐんだん」シリーズです。
2012年にシリーズ初の絵本となる『ノラネコぐんだんパンこうじょう』が刊行されてから、現在までシリーズ累計150万部超! 子どもたちに大人気で、図書館でも予約待ちになることが多いそうです。
「ちょいワルなノラネコぐんだんのいたずらによって、一生懸命に働くワンワンちゃんが騒動に巻き込まれる」というのが基本のあらすじですが、ノラネコぐんだんがやらかすのは、いつも“思ってもみなかったこと”ばかり。
『ノラネコぐんだんパンこうじょう』では、ノラネコぐんだんがパン屋さんに忍び込むのですが……。
「お店のパンを食べちゃうのかな?」と思ったら、みんなでとびきり大きなパンを焼いて大騒ぎ。
『ノラネコぐんだんカレーライス』では、ジャングルのカレー屋さんに忍び込んでシーフードカレーをつくるのですが、そこに大きな大きな敵があらわれて、お店がとんでもないことに!
そんな具合に、いつも“予想外”のハラハラドキドキが待っているんです。
最後は、ノラネコぐんだんが8匹並んで正座をし、「悪いと思ってます」と反省するのが決まりごとになっていますが、その姿もすっごくかわいいんです!
ちなみに、ノラネコぐんだんは、もともと工藤ノリコさんの漫画『ワンワンちゃん』シリーズに出てくるサブキャラクターで、主人公(ワンワンちゃん)のライバルだったんですよ。
作・絵 キヨノサチコ
出版社:偕成社
元気なネコの男の子、ノンタンを主人公とした絵本のシリーズ。
写真は、シリーズ販売1位で、売り上げ 260 万部強の『ノンタンぶらんこのせて』です。
続いてふたつめは、「ノンタン」シリーズ。1976年に発行されて以来、子どもたちの心をとらえて離さない大人気のロングセラーです。
「子どものころに読んだことがある」というママも多いのでは?
「ノンタン」シリーズの魅力は何といっても、愛らしいノンタンのキャラクター。
素朴な線で描かれた白ネコのノンタンは表情が豊かで、いつも大きな目をくるくるさせながら、大好きな仲間たちと毎日楽しく過ごしています。
でも、ノンタンは決して「良い子」じゃありません。ブランコをひとりじめしてお友だちに貸してあげなかったり、夜、寝る時間を過ぎても眠れないので、外に遊びに行ってしまったり。
そんなノンタンを見ながら、「気持ちはすご〜くわかるけど、そんなことして、大丈夫なの?」と、ソワソワしながらページをめくると……。
結果は、ブランコをめぐってお友達とケンカになったり、暗い夜に外で遊んで散々な目に合ったりという具合。そして、そうした失敗から子どもたちは(ノンタンも!)、お友だちと仲良くすることの大切さや、生活習慣を守ることの意味など、生きていくうえで大切なことを学んでいきます。
また、「とってん とってん ばしゃばしゃ とってん」「あわぶく ぷくぷく ぷぷぷう」など、優しい言葉の繰り返しが効果的に使われているのも、シリーズの魅力。
読み聞かせをしていると、子どもが一緒に口ずさんでいたりして、とっても楽しい気持ちになれます。
愛嬌があってちょいワルなノラネコぐんだんと、良い子とはいえないけれど、元気で友だちと遊ぶのが大好きなノンタン。
いたずらしたり、失敗したりはするけれど、どこか愛らしく、どこか憎めないキャラクターが、ふたつの作品に共通した魅力です。
どちらのシリーズもいろいろなストーリーがそろっているので、「どれがいちばん喜ぶかな?」「この話は好きそう!」と子どもたちのことを思い浮かべながら、楽しく選んでくださいね。
児玉 真悠子
約10年間、出版社にて書籍編集を経験後、フリーランスの編集&ライターへ。
就活やキャリア、ビジネス実用などのノウハウ本を主に担当。
現在は、ママ向け&子ども向けのコンテンツ制作をメインに活動中。2児の母でもある。