mama知っ得!情報
出産までの約40週間で、大きく変化していくプレママの心と体。新しい生命の誕生が楽しみな一方で、肩こりや腰痛などのマイナートラブルが増え、お産やママになることへの不安も募りがちです。そうした時期にプレママたちの心と体を整え、出産や産後の生活をすこやかなものにするエクササイズとして、注目されているのがピラティス。
今回は、「basiピラティス」のインストラクター・Makiさんに、マタニティピラティスの効果と妊娠後期でも取り組みやすいエクササイズを教えてもらいました!
まずは、妊娠中の女性の体の変化をみていきましょう。
妊娠中の女性は、出産までに体重が7〜10kgほど増えるといわれています。その過程ではお腹が徐々に張り出し、胸も大きくなっていくなど、体の前面が重くなってしまうもの。
そのため、「腰は反って猫背」という姿勢になりがちで、体のバランスが崩れることで起こる腰痛や肩こりに悩まされる妊婦さんも少なくありません。
また、急な体重増加はむくみや股関節の硬直につながることもあり、そうしたマイナートラブルがストレスになることも…。
「おなかの赤ちゃんに万が一のことがあったら」と無意識に体を動かさなくなるため、トラブルはさらに進行しがちです。
妊娠中の女性が取り組むエクササイズとして、ピラティスはとても理にかなったものです。というのも、ピラティスはもともとドイツの看護師(ジョセフ・ピラティス氏)が負傷兵のリハビリを目的に考案したもの。「座る」「横たわる」といった体と床の接地面が大きな状態で、“正しい体の動かし方”を学ぶエクササイズなので、ケガをしたり、どこかが悪くなったりするというリスクが極めて少ないのです。
「いちばんの特徴は、深い呼吸をしながら、体の動きを司る背骨や肋骨、骨盤の1つひとつに意識を集中させ、体と心をコントロールしていく点。そうやって、“正しい体の動かし方”を身につけることで、リラックスしたり、姿勢を維持したりと様々な効果が期待できます」(Makiさん)
①姿勢の維持:すでに説明したように妊娠中は姿勢が悪くなりがち。背骨、骨盤などを支える「インナーマッスル(深層筋)」と呼ばれる筋肉を鍛えることで、姿勢を維持し、肩こりや腰痛を予防することができます。
②心身のリラックス:「動く瞑想」という別名を持つピラティスには、ホルモンの影響で乱れがちな精神状態を安定させる効果もあります。深く呼吸し、骨や筋肉の1つひとつに意識を向けていくことで、頭の中の不安や雑念が晴れます。
③柔軟性の向上:筋肉を鍛えるとともに、体の関節を緩めて柔軟にする効果も期待できます。股関節が固いと、分娩台で足を大きく開いた姿勢がうまく取れずに苦労するもの。骨盤や股関節の柔軟性を向上させて、体をお産に集中できる状態に整えましょう。
④産後の早期体力回復:体のバランスを整えておくことは、産後の体力回復にも役立ちます。また、経腟分娩で出産したママは、「骨盤底筋」という筋肉の損傷で尿漏れに悩まされがちですが、そうしたダメージからの回復もスムーズになります。
お腹が大きくなった妊娠後期でも安全に行えるトレーニングをご紹介します。「むくみなどが少ない午前中、食後2時間以降に行うのがベストです。おなかの張りや体調の変化を感じたらしっかり休んでくださいね」とはMakiさんからのアドバイス。安定期に入った14週以降、体調のいい日を選んで行いましょう。
①床にあぐらをかいて座り、腕を上げます。
②鼻から息を吸いながら腕を横に倒し、吐きながら元の姿勢に戻ります。息を吸う時は、赤ちゃんを少しだけ下ろすようなイメージで。左右を1セットにして、8回を目安に行いましょう。
①背骨をできるだけ丸め、赤ちゃんをのぞき込むような姿勢をとります。
②鼻から息を吸いながら胸をそらし、鎖骨を横に長く伸ばしていきましょう。吐く息で元の姿勢に戻ります。背骨を1つひとつ順番に動かすような意識で、10回ほど繰り返します。
まずは、足を骨盤よりも大きく広げ、背中と手のひらをしっかりと壁につけます(つま先は外側に広げます)。
①鼻から息を吸いながら、徐々に両膝と股関節を曲げていきましょう。
②吐く息で赤ちゃんを持ち上げるような意識を持ちながら、両足を均等に使って体を押し上げます。10回を目安に行いましょう。
Maki/basiピラティスインストラクター。愛育病院などでマタニティフィットネスを指導していたが、出産後の腰痛改善のために始めたピラティスに感銘を受け、ピラティスインストラクターに転身。basiピラティス用賀スタジオで産前産後のピラティスを担当。 basiピラティスhttps://www.basipilates.jp/