mamaと絵本
雨が降って外で遊べない日は、家でのんびりと絵本を楽しむのがおすすめ!
今回は、子どもの感情を豊かにするだけでなく、読み聞かせをするママ・パパまでが癒やされる絵本を3冊ご紹介します。
文:アリスン・マギー
絵:ピーター・レイノルズ
訳:なかがわちひろ
出版社:主婦の友社
2007年にアメリカで発売されて以来、世界中で読み継がれているベストセラー。妊娠出産時のプレゼントにする人も多いそうですよ。
生まれたばかりのわが子の小さな指、一本一本にキスをする——。
そんな描写から物語はスタートし、子どもの行く末を思って幸せを祈るママの心情や、親でいることの喜び、不安、苦しみ、寂しさが、シンプルな言葉で綴られています。
作中には、子どもが悲しい知らせを受けて落ち込む場面もありますが、この絵本を担当した編集者さんによると、そこにはこんな逸話があるのだとか。
「絵本なので、悲しい知らせに落ち込む場面はカットするという案もあったそうです。
けれど、母親でもある作者は『本当の悲しみ、つらさを経験してこそ、人生はより深いものになる』と考え、カットしませんでした。
人生の暗い一面にもあえて触れているところが、この絵本が世代を超えて愛されている理由の一つかもしれません」。
母親になったとき、「命をつなぐこと、愛することの大切さがあらためてわかった」という方も少なくないと思いますが、この絵本はそんな気持ちを思い出させてくれる一冊でもあります。
作:クク・チスン
訳:斎藤真理子
出版社:ブロンズ新社
3人のママのある1日が描かれています。お子さんにとっては、自分と一緒にいないときの「ママ」の顔を知る、よい機会になるかもしれません。
同じマンションに住む3人のママ。今日は、幼稚園の遠足のためにお弁当を作らなくてはいけません。
早起きして作るママもいれば、寝坊してあわててお弁当を買うママもいて……。
まさに三者三様ですが、3人とも忙しさのあまり、まだ「あること」に気づいていません。さて、その 「あること」 とは?
「キャリアウーマン、フリーランス、専業主婦の3人のママの奮闘ぶりを描いた絵本です。
どのママも本当にがんばっていて、子育て経験のある方ならきっと共感できるはず。
『励まされた』『子育ても自分らしくやればいいんだと思えた』という声も多数寄せられています」
と話すのは、担当編集者さん。
特に「ときどき なんにもしてないような きもします」というママのつぶやきには、強く同意してしまいますが……。
前述の「あること」が、何だかわかった瞬間、「あわただしい毎日のなかにも、喜びや幸せが確かにあるんだ」と気がついて、心がふっと軽くなることでしょう。
作・絵:さくらせかい
出版社:福音館書店
エンさんとパンダのファンファン。山の中で出会った一人と一頭の交流に、ママ・パパのほうが感動してしまうかも?
山の中で迷子の赤ちゃんパンダを見つけたエンさんは、「ファンファン」と名づけて大切に育てます。
ファンファンはからだが弱かったので、エンさんは体調を崩すたびに自転車にのせ、山を二つ越えて医者通い。おかげでファンファンはすくすくと育ちますが……。
エンさんが年をとると、今度はファンファンが自転車にのせて医者通いすることに。
血のつながりはなくても、互いを思いやって仲良く暮らす一人と一頭。その絆に触れると、胸の中がじんわりと温かくなります。
そして、「私も大切な人たちのために、人生の山を越えていかなくちゃ!」と思わずにはいられません。
事実、ファンファンを後ろに乗せて一生懸命ペダルを漕ぐエンさんの姿に、自分自身、または自分の親の姿を重ねてしまうママ・パパも多いそうですよ。
いかがでしたか? 梅雨の前後は、天気と同様に気持ちもどんよりしがちですが、 mamaomoi 編集部が選んだとっておきの3冊を読んで、ぜひ晴れやかな笑顔を取り戻してください!