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乳がんを知ろう!〜科学的根拠(エビデンス)のある情報収集を〜

掲載日:2017/10/4

CO・OP共済は、乳がんの早期発見ともしもの時に安心して治療ができるようにサポートする「ピンクリボン運動」に取り組んでいます。乳がんは、正しい知識と日々の自己検診によって、早期発見、早期治療が可能ながんと言われています。

今回はファイナンシャルプランナー(FP)であり、ご自身が乳がんを経験し「乳がん体験者コーディネーター」でもいらっしゃる黒田尚子先生に、「正しいがん情報収集の大切さ」について伺いました。

セカンドオピニオンは重要!過剰診断の可能性もある

私は最初の診断を受けた病院と、セカンドオピニオンで受けた病院で異なる進行度の診断を受けました。今振り返ると、最初の病院での診断のほうが重く診断されたため、その治療方針に従っていたら、過剰な治療を受けていたかもしれません。結局私はホルモン治療だけで今に至っていますが、当初は抗がん剤治療も勧められたのです。

病院選びは、「症例数」がたくさんあるかどうかも大きなポイントのひとつです。抗がん剤は副作用もあるだけでなく費用もかかります。治療の選択というのは実はものすごく大事なことです。医師は病気を治すことを優先的に考え、個人の生活レベルのことまで考えてくれるとは限りません。自分で知識を身につけ判断し、どのような生活を送りたいかを伝えることは大切です。

自分の命がかかっているわけですから、患者さんが自発的に自分のがんについて、ある程度の知識を持つことも必要だと思います。

若年層にも乳がんのリスクはある中で、不安を煽らず(あおらず)に、必要な情報を伝えるようにしています。年齢的に他人事のように思っている方が多いだけでなく、「がんは怖いけど、今はお金もないし、もしがんになったら困るから検診に行かない」という方がいるのですが、それは違います。検診を受けることが、結果的に治る可能性を高め、また経済的にも負担を軽くすることをお伝えしています。

乳がんキーワード「デンスブレスト」と「読影医(どくえいい)ランク」

___乳がんの正しい知識を得ることが大切ということですが、私たちはまずどんなことを知っておくべきでしょうか?

日本人女性などアジア人には、「デンスブレスト(高密度乳腺)」と言って、乳腺が濃く、マンモグラフィーを撮ると、全体が白く写ってしまう人が多いと言われています。マンモグラフィーでは、腫瘍組織も白く写りますので、がんが見つけにくく、そのような人は、マンモグラフィーでがんの検出がされにくいのです。このような場合には、併せて「超音波」による乳房エコー検診も受けることをお勧めします。

また意外と知られていないのが、マンモグラフィーのX線写真から診断を下す「読影医(どくえいい)」にA,B,C,Dランクがあることです。乳がんに関しては、Aランクの先生でないと10%程度見落としの可能性があるという報告もあります。検診の先生の能力に左右されるということを知っておく必要があるでしょう。

このように、マンモグラフィー検査などがん検診の課題としては、「過剰診断」のほか、がんを見逃してしまう「偽陰性」や、精密検査でもがんが発見されない「偽陽性」などの問題もあります。

___どこで正しい知識を得たらいいのでしょうか?

まずは、国立がん研究センターが運営する「がん対策情報センター」があります。ここから科学的根拠のある情報を得ることができると思います。

さらに今年4月から文部科学省の指導で全国の小、中、高等学校で、「がん教育」が全国で始まりました。「子どもたちに、自らの健康を適切に管理し、がんに対する正しい知識とがん患者に対する正しい認識を持つよう教育する」ことを目的としています。

最近では著名人ががんになったことをカミングアウトして、治療を行って完治するといった事例も増えたことで、がんに対する知識の広まりや、がん患者に対する受け入れが広がっていることはいいことだと思います。

___ありがとうございました。


がんの診断を受けた場合、担当医のことばを鵜呑みにするのではなく、セカンドオピニオンを得ることも重要なのですね。またがんを一概に恐れるのではなく、専門機関の発信する情報に目を配ることで、日頃から意識をしておくことも大切です。

取材&Text/寺町幸枝

黒田尚子/ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)及び乳がん体験者コーディネーター
大手シンクタンク退社後、1998年よりFPとして活躍。2009年に乳がんの告知を受けて以来、自らの実体験をもとに、がんをはじめとした病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動を行う。著書『がんとお金の本』ほか多数。
http://www.naoko-kuroda.com

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