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乳がんを知ろう!〜万が一に備える〜

掲載日:2017/9/27

CO・OP共済は、乳がんの早期発見ともしもの時に安心して治療ができるようにサポートする「ピンクリボン運動」に取り組んでいます。乳がんは、正しい知識と日々の自己検診によって、早期発見、早期治療が可能ながんと言われています。

今回はファイナンシャルプランナー(FP)であり、ご自身が乳がんを経験し「乳がん体験者コーディネーター」でもいらっしゃる黒田尚子先生に、「もしもの備え」について伺いました。

もしもの時には医療保障だけでは不十分な可能性あり!

___ご自身の乳がん経験を通じて、一番不安だったことは何でしょうか?

40歳の時に乳がんを患ったのですが、一人娘がまだ5歳で、最初の診断が「ステージⅡB」。乳房を取って治療をしても、5年相対生存率が50%というものでした。娘の将来が心配でしかたなかったですね。

___こうしたご経験から、今どんなことを伝えていらっしゃいますか?

私自身がFPなので、がんになった時の経済的備えをどうするかということを中心にお話しをしています。私は20代後半に子宮筋腫を患っていたこともあり、「子宮系の病気」には気をつけていたのですが、まさか自分が乳がんになるとは思っていませんでした。

がんは遺伝によるところが大きいと思っていたので、「がん保障」にも加入していませんでした。医療保障には入っていましたし、ある程度の蓄えもあります。もしもの時はそれで十分なのではないかと思っていたのです。

ただ実際には、医療保障は役立たずではないのですが、不十分なことが、がんを患ってみて痛感しました。もちろん全員ががん保障に入る必要はないのですが、それぞれのリスクにおいて、経済的ながん保障を考えるように伝えています。

がん治療は「長期化」と「高額化」の傾向あり

経済的な備えでいうと、やはり病気にはならないのが一番なんです。自分ががんを患ってわかったことは、がんは生活習慣によるところが大きいということです。特に「食生活」「肥満」「運動不足」など、がんにならなくても他の病気になる可能性があるということを感じています。まずは、病気にならないように気をつけることが、結局は経済的にも負担が少ないことをお伝えしています。

個々人の経済状況に応じて、保障に入るなり、預貯金で備えるなりといったことが必要になると思いますが、それ以外に「予防」に注力することも大切だと思っています。

___乳がんを患うことで、金銭的にはどんな負担があるのでしょうか?

がんは、がんの種類と進行度、治療内容によって費用の負担は大きく変わってきます。乳がんは現在「個別化医療」が進んでおり、その分負担は大きくなる可能性もあります。がん保障も完璧ではありません。例えば、遺伝子レベルでがんの最適な治療を選択するための遺伝子検査も進んでいるのですが、検査には全額自己負担で40〜60万円ほどかかります。

乳がんに限らず、がんは早期発見と適切な治療によって治る病気です。ですが「再発のリスク」は常について回ります。また、がん治療は「長期化」と「高額化」の傾向がありますから、家計を圧迫するものとなっていきます。

加えて、乳がんを患うことで、残された家族は家事や育児などをアウトソーシングする必要性が出てくるため、その分の費用もかかります。そのことを忘れてはいけません。

___ありがとうございました。

ママになると、自分より家族のことを優先しがちです。ですが、ママが健康でないと、家庭の中がうまく回らないだけでなく、家計にも負担がかかる可能性があることを忘れてはいけませんね。

取材&Text/寺町幸枝

黒田尚子/ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)及び乳がん体験者コーディネーター
大手シンクタンク退社後、1998年よりFPとして活躍。2009年に乳がんの告知を受けて以来、自らの実体験をもとに、がんをはじめとした病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動を行う。著書『がんとお金の本』ほか多数。
http://www.naoko-kuroda.com

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