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子どもを水の事故から守るためには?

掲載日:2023/7/12
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暑くなり、水遊びが楽しい季節がやってきました。自宅でのプール遊びはもちろん、レジャー施設や海に川など、子どもと一緒に安全に楽しみたいですね。
溺水事故によって失われた命と溺水事故の悲惨さに想いを寄せ、予防可能であるはずのこれら悲劇的な事故に対し、世界中でその認識を高めることを目的として、令和3年4月から、毎年7月25日は「世界溺水防止デー」と国連総会により定められました。
不慮の事故による年代別の子どもの死因で溺水は上位3位に入ります。子どもの溺水事故の予防方法、また、もしもの時の対応について、ポイントを確認しておきましょう。
※消費者庁 子どもの不慮の事故の発生傾向~厚生労働省「人口動態調査」より~

子どもの溺水事故の予防方法

子どもは、水深が5cm程度でも溺れてしまいます。そのため、少しの水でも、緩やかな水流でも注意が必要です。乳幼児では特に「少しの時間(2~3分)目を離しただけ」で溺れる事故が多いので、水辺では目を離さないようにしましょう。



〈家での溺水事故発生場面と予防のポイント〉
0~5歳の乳幼児では、家での溺水事故が多く発生しています。

お風呂場 : 入浴中に目を離した隙に溺れる、一人で浴室へ入り浴槽へ転落する など

・浴室・浴槽への出入りは、大人が先に入り子どもを後から入れ、子どもを先に出し大人が後に出る。

・大人が洗髪中は、子どもは浴槽から出す。(洗い場から浴槽への転落にも注意する)

・浮き輪の使用中も溺れることがあるため、使用中も目を離さない。

・入浴後は浴槽の水を抜き、溜めておかない。

・浴室に外鍵を付けて子どもが一人で入れないようにする。

ビニールプール : 遊んでいて目を離した隙に溺れる、一人で近づき転落する など

浅い水深でも溺れるため、遊びが終わり水から離れるまで、大人が目を離さず手の届く範囲で見守る。

洗濯機/洗面器/バケツ/水槽など : 溜まった水へ転落・ひっくり返り起き上がれず溺れる など

・使用後の洗濯機、バケツ、洗面器などに水を溜めたままで離れない。

・洗濯機にはチャイルドロックをかけ、子どもが蓋を開けられないようにする。

・水槽は子どもが届かないようにする。掃除の際は水を溜めたままで離れない。




〈屋外での溺水事故発生場面と予防のポイント〉
小・中学生の年代では、家よりも川・海・プール・地域の池や用水路など屋外での事故が増えます。

プール : 遊んでいて溺水、目を離した隙に子ども用プールから深いプールへ一人で移動して溺水 など

浮き輪の使用中でも溺れることがあるため、大人が必ず付き添い、目を離さない。

海/川など : 流される、深いところに限らず浅瀬や緩やかな流れでも目を離した隙に溺れる など

・子どもだけで海や川などで遊ぶことがないようしっかり子どもと話し、大人が必ず付き添う。

・遊ぶ時はライフジャケットを着用させる。

ため池/用水路/排水溝/浄水漕など : 転落し這い上がれず溺水 など

・危険な場所で遊ばないように日頃から子どもと話しておく。

・ため池や用水路などの転落・溺水の危険がある場所を見つけたら、管理者へ柵などの対策を要請する。






入浴時やビニールプールなど、近くにいるからすぐ気づけると思って目を離し、溺水事故が発生することがあります。一般的に、溺れたときの状況のイメージには「暴れる」「水音がする」「騒ぐ(泣く・叫ぶ)」ということがあるでしょう。しかし、特に小さい子どもでは溺れても何が起きているか理解できず、暴れたりせず、静かに溺れます。そのため、何かが起きたらすぐ気づけると油断せず、水のそばでは目を離さないことが大切なのです。



もしもの時の対応

溺れているところを発見したら、 1. すぐに大きな声で人を呼び、人手を増やす。(一人での対応は困難) 2. 可能であれば、すぐに水から引き上げる。
ただし、海や川などでは自身の安全を第一に、二次事故防止に注意し、周囲の協力者や救助機関への要請をする。
救助機関の例:海水浴場やプールの監視員・ライフセーバー、118番(海上保安庁)、119番(消防)など
3. 意識状態と呼吸、症状を確認する。 4. 意識や呼吸がなければすぐに救急車を呼び、心肺蘇生(心臓マッサージと人工呼吸)を開始する。
水を吐いた場合は直ちに顔を横に向け、口を開けて指にガーゼ等を巻き付け異物を掻き出し、水はよく拭き取り、心肺蘇生を継続する。
まわりに複数人いれば協力して心肺蘇生おこない、一人のときは電話機をハンズフリーにして消防と連携して対応するのがよい。
6. 体が冷たい場合はタオルなどで包んで保温する。 7. 意識がすぐに回復したり、軽症状、無症状でも、肺炎などを起こすことがあるため病院で受診する。
受診時には、いつ・どこで・どれぐらいの時間といった溺水時の状況と、溺水後の意識や呼吸などの症状経過を医師へ説明できるようにしておく。



溺れたときは何ともなかったのに、後から息苦しい、顔色が悪い、様子がおかしい、咳が出るなど体調が悪くなる場合があります。これは、無症状でも実は肺に液体がたまっていたり、気道に入った液体が刺激となり喉の痙攣を起こすことで生じ、うまく呼吸ができなくなり命に関わることもあります。そのため、溺れたときは症状がなくとも受診をしておきましょう。

溺水事故から命を守るためには、なにより予防が大切です。どうやって溺れてしまうのかを知ると、大人が目を離さない・手の届く範囲で見ていることの重要性がわかってきますね。大人が一人では難しいときは、ご家族やご友人同士で声を掛け合い協力しましょう。また、子どもが自分でも理解できる年齢になってきたら、子ども自身でも安全な行動がとれるように、日ごろから危ない場所や水遊びでの注意点について一緒に話し合っておくことがとても大切です。
不慮の溺水事故を防止し、安全な日常生活はもちろん、水辺のレジャーも楽しく過ごしていきましょう。





東京海上日動メディカルサービス 発行
http://www.tokio-mednet.co.jp/

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