mamaと絵本
「多様性」という言葉が、私たちの日常生活においても頻繁に聞かれるようになりました。
この言葉が身近になったきっかけとして、「SDGs/持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」の普及があるかもしれません。「SDGs」が掲げる17の目標には「多様性」という言葉自体は含まれていませんが、その考え方のベースには「多様性の尊重」があるといえるでしょう。
そこで、今回はこれから先の未来を生きていく子どもたちが「多様性とは?」を考えるきっかけになる絵本を2冊ご紹介します。
国語の教科書などにも掲載されている『スイミー』の作家、レオ=レオニが描く色鮮やかで美しい作品です。
『じぶんだけの いろ』
作:レオ=レオニ
訳:谷川俊太郎
出版社:好学社
おすすめ年齢:読み聞かせ2歳~、ひとり読み4歳~
主人公のカメレオンは、体を擬態させながらいろいろな色や模様に変化していってしまう自分の姿を「どうして自分の色を持てないのだろう」と悲しみます。そして、もう1匹のカメレオンに出会ったときにその悩みを打ち明けますが、そこですばらしい答えへと導かれていきます。
周囲と違う自分に悩んだときに、寄り添ってくれる誰かがそばにいてくれるだけで救われることがあります。自分を悩ませていたこだわりや悲しみが、誰かによって解放されることもある。
そんなことを優しく教えてくれる1冊です。
出版社からのメッセージ
『スイミー』の作家として知られるレオ=レオニが小さい子ども向けに描いた絵本です。彼の作品の多くに「きみはきみのままでいい」というメッセージが込められ、鮮やかな色とともに優しく子どもたちに伝えてくれます。
ロングセラー絵本『となりのせきのますだくん』のシリーズ本です。これからの入学シーズンにもおすすめの1冊です。
『ますだくんのランドセル』
作・絵:武田美穂
出版社:ポプラ社
おすすめ年齢:3・4・5歳~
この絵本が発表された1995年当時は、ランドセルの色は男子は黒、女子は赤という風潮が色濃く残っていました。そんな中、主人公のますだくんは「お姉ちゃんの赤いランドセルがいい!」と、周囲の心配もよそに赤いランドセルを背負って入学式へと向かいます。そして、そこで青いランドセルを背負っている女の子に出会って…。
自分の好きなものを主張する強さと素直さ、不安を抱えている友達に寄り添う優しさにあふれている作品です。ちょっぴり不器用だけど、とっても優しいますだくんが「好きなものは好きでいいんだよ!」と、背中を押してくれているようです。
出版社からのメッセージ
ぼくは、ますだけんいち。早く小学生になりたいな。欲しいのは、お姉ちゃんが使っていた赤いランドセル。ロングセラー『となりのせきのますだくん』の前編にあたる本作は、入学を迎えるお子さんにぴったりです。
多様性を尊重することは、この先を生きていく子どもたちにとって当たり前になるのかもしれません。子どもたちが自由に自分自身を表現し、のびのびと生きていくことを応援したい。そんなことを思わせてくれる作品たちです。ぜひ手に取って読んでみてください。