mamaと絵本
長い冬もそろそろ終わり。草木が芽吹き、桜のつぼみが少しずつふくらむ様子に、春の訪れを感じて胸を躍らせている人も多いのではないでしょうか? そこで今回は、「春」をテーマにしたmamaomoi編集部おすすめの絵本を2冊ご紹介します。
春は、あらゆるいのちが誕生する季節。
その喜びを、エリちゃんやボタンの兄弟たちと一緒に感じてみてください。
『はるって、どんなもの?』
作: あさのますみ
絵: 荒井良二
出版社:小学館
パッパ、ピピ、プー、ペーペ、ポッポはボタンの5人兄弟。エリちゃんの毛糸のカーディガンに仲良く並んで、エリちゃんを寒さから守っています。
ある日5人は、エリちゃんが「もうすぐ春だね」と言っているのを聞いて、ふと考えました。「春って、どんなものだろう?」。カーディガンについている兄弟たちは、あたたかくなるとタンスにしまわれてしまいます。そのため、春というものを知らなかったのです。
「春ってカーディガンみたい」「春ってホットケーキに似ている」「春って足があるんだ」
5人がまだ見ぬ春について想像をふくらませていると、しばらく留守にしていたエリちゃんのお母さんが家に帰ってきました。そして、5人はそのときはじめて「春」に出会ったのです。さて、その「春」とはいったい……?
パッパ、ピピ、プー、ペーペ、ポッポのかわいらしいおしゃべりと、兄弟たちが見た「春」の正体に、親子そろってきっと心がぽかぽかになるでしょう。
2022年に生誕55周年を迎える『ぐりとぐら』。
読み終わった後、お子さんに「ぐりとぐらみたいに掃除したい」と言われるかも!?
『ぐりとぐらのおおそうじ』
作:中川李枝子
絵:山脇百合子
出版社:福音館書店
「ぐり」と「ぐら」は、野ねずみの兄弟です。ある朝、窓を開けた2匹は、春がやってきたことを知ります。同時に、太陽の光で明るくなった家の中が、ほこりだらけなのにびっくり! 冬の間、大雪で窓がふさがり、閉め切っていたせいで、汚れていることに気づかなかったのです。
2匹は、「今日の仕事は、大掃除」と張り切りますが、ほうきもはたきも雑巾もボロボロで使いものになりません。でも、ぐりとぐらは思いつきます。「自分たちが雑巾やほうきやはたきになればいいんだ!」。ぼろ布を体中に巻きつけて、床をすべったり、足にシャツやタオルをくくりつけて、歩き回ったりと、楽しそうに掃除をする2匹でしたが……。さて、家はきれいになるのでしょうか。
力を合わせて家の中を掃除する、ぐりとぐらのかわいらしい姿に、お子さんだけでなく、ママやパパもにっこりしてしまうはず! 最後には、2匹がうさぎたちとお茶をする場面もありますが、絵本を読み終えたら、ぐりとぐらにならって、みんなで春のティータイムを楽しむのもいいかもしれませんね。
いかがでしたか? 絵本を読みながら、春の風景を頭に思い浮かべる——。それだけで、なんだか“ウキウキした気持ち”になれそうですよね。今年の春も家の中で過ごす時間が多くなりそうですが、お子さんと一緒にこの2冊を楽しんで、しっかり「春」を感じてみてください。