mamaと絵本
日本では、「性」に関する話題がタブー視されがちです。
しかし、幼少期からの性教育は、からだに関する正しい知識を身につけてもらうためにも、性犯罪や性暴力から自分を守る方法を知ってもらうためにも、そして自分の周りの人を大切にするためにも、とても大事なこと。
ごまかさずに、きちんと話したいですよね。
とはいえ、「性について話すのは、ちょっと抵抗がある」
「自分自身きちんと教えてもらった経験がないから、教える時にどうやって伝えたらいいかわからない」
と悩んでいるママ・パパも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、子どもといっしょに「性」について学べる絵本を2冊ご紹介します。
著者は、産婦人科医で、性教育活動を行う遠見才希子医師。後半には、性教育をするうえで大人が覚えておきたいポイントについての解説もあります。
『だいじ だいじ どーこだ?』
作: 遠見才希子
絵: 川原瑞丸
出版社: 大泉書店
最近、よく耳にするようになった「プライベートパーツ」という言葉。これがなにを指しているかご存じですか?
正解は、口、胸、性器、おしりのこと。
いずれも、生命や妊娠・出産、性愛に関わるパーツであり、他人が勝手に触ったり、見ようとしたり、または、むやみに人に見せたりしてはいけないところです。
そして、このプライベートパーツについて理解することが、性教育の第一歩。
しかし、小さなお子さんには、「プライベートパーツ」という言葉自体がちょっと難しいかもしれませんね。
そのため、この絵本ではプライベートパーツを「だいじだいじ」という、子どもにとってなじみ深い言葉に置き換えて表現しています。
「だいじ だいじ どーこだ?」
そんな問いかけをしながら、「プライベートパーツとはなにか」「自分の身を守るにはどうすればよいか」などについて、親子いっしょに学んでみてはいかがでしょうか。
担当編集者さんからのメッセージ
「自分の心とからだは大切だよ」そして、「自分以外の人も大切にしようね」というメッセージとともに、「プライベートパーツ」について、小さなお子さんにもわかりやすく伝えられるように表現しました。
作者である遠見才希子医師が、自身のお子さんとのエピソードを交えて絵本にまとめた 1冊です。
産婦人科医で、年間120回以上、性教育の講演を行う高橋幸子医師が監修。からだの仕組みから防犯まで、性教育の基本がわかりやすくまとめられています。
『性の絵本 みんながもってるたからものってなーんだ?』
作: たきれい
監修: 高橋幸子
出版社: KADOKAWA
幼児期になると、子どもは性器や異性のからだについて興味をもちはじめます。
「なんでママにはおちんちんがないの?」
「どうしてパパのおっぱいは大きくないの?」
「赤ちゃんってどこからきたの?」
無邪気にくり出される質問の数々に、「どう答えたらいいのか困ってしまった」という経験をお持ちの人も多いのではないでしょうか。
そんなときは、この絵本の出番です。
男の子と女の子、そして大人とのからだの違いや、赤ちゃんができる仕組みなどについて、語りかけるようなやさしい言葉で書かれているので、読み聞かせをしつつ親子で話し合うきっかけにしてみてください。
後半には、こころとからだを守る方法についても紹介されているので、防犯について話したいときにもおすすめですよ。
担当編集者さんからのメッセージ
「子どもへの『性教育』ってなにからはじめたらいいの?」。そんな気持ちからこの絵本は生まれました。
プライベートゾーンや性交、身を守ることについてが、小さいお子さんにもわかるようにやさしい言葉で書かれています。
性教育の第一歩としてお手にとっていただければ幸いです。
性教育は、子どもが性に興味をもちはじめる幼児期からはじめるとよいといわれています。
まずは、この2冊の力を借りて、性教育をはじめてみてはいかがでしょうか。
性教育は、自分自身を大切に思う「自尊心」を育むきっかけにもなりますよ。