mama知っ得!情報
保育園や幼稚園からの帰宅後は、嵐のような忙しさ。「おなかすいた!」とご機嫌斜めな子どもをなだめながら夕食の準備をして、ごはんを食べたらお風呂に入れて、絵本を読んで、寝かしつけまでノンストップ…! そんな息つく暇もないママ&パパにおすすめなのが、ポリ袋や電子レンジを活用した時短料理です。料理研究家の中村陽子さんに、「おうちに帰ったら、ソッコーごはん!」を叶える時短テクと簡単レシピを教えていただきました。
料理の時短をはかるには、「しなくていいこと」をいかに増やすかがポイントです。
たとえば、できるだけ洗い物を減らしたり、ピーラーやチョッパー、キッチンばさみなどを活用して、包丁の出番を減らしたりするのも工夫のひとつ。また、電子レンジを上手に活用すれば、加熱中は別の作業ができるので調理効率がぐんと上がります。
「小さなお子さんがいると、栄養バランスも気になりますね。でも、忙しいときに何品も作るのは大変。我が家では、ビビンパやタコライスなど、ごはんにおかずをのっけたワンボウルメニューもよく登場します。肉や野菜もちゃんととれるし、子どもも食べやすいから完食率もいいですよ」(中村さん)
ポリ袋は、実は優秀なキッチンツールです。肉や魚に下味をつけるとき、ボウルの代わりにポリ袋を使えば、少ない調味料で味がしみこみます。つけおき時間も短くてすむので、時短にも貢献! 混ぜたり、こねたり、まぶしたりするのも、袋の上からもんだり振ったりするだけ。手も汚れず、洗い物も少なくなるから、次の作業にサッと移れるのもうれしいポイントです。
●カレー風味のザクザクから揚げ
コーンフレークのザクザクした歯ざわりも楽しいから揚げです。ポリ袋を使えば、5分で下味がつくうえに、衣をまぶすのだって簡単! ほんのり香るカレーの風味が食欲を刺激します。
<材料(大人2人+幼児1人分)>
・鶏もも肉(から揚げ用)…300g
[A]
・しょうゆ、酒…各大さじ1
・カレー粉…小さじ1
[B]
・とき卵…1/2個分
・小麦粉、片栗粉…各大さじ2
・コーンフレーク…1カップ
・サラダ菜、ミニトマト…適量
・揚げ油…適量
<作り方>
① ポリ袋に鶏もも肉、[A]を入れて袋の上からよくもみこみ、5分ほどおく。
② ①に[B]を加えて、袋の上からもんで混ぜる。
③ 別のポリ袋にコーンフレークを入れて袋の上から軽く砕き、②を加えて袋に空気を入れるようにして口を閉じてよく振り、コーンフレークを鶏肉の表面につける。
④ フライパンに高さ1cmほどの油を中温で熱し、
③を手でぎゅっと握ってから油に入れ、
両面を香ばしく揚げて火を通す。器に盛り、好みでサラダ菜やミニトマトを添える。
Point
下味をつけた鶏肉を、コーンフレークの入ったポリ袋に移してよく振ります。コーンフレークは振って自然にくっつく分だけでOK。まだらにつけることで、揚げたときにかたくなりすぎず、子どもも食べやすい食感に。
切る手間のないひき肉は、時短にもってこいの食材。ひき肉にカットトマトや野菜を加えて電子レンジで加熱するだけの簡単ミートソースは、パスタやうどんにからめたり、パンにチーズとともにのせてトーストしたりと、アレンジの幅が広いのも魅力です。
●フライパンいらずのレンジタコライス
ボウルに具材を入れて混ぜたら、あとは電子レンジにおまかせの手間なしレシピ。すりおろした玉ねぎで甘みとコクをプラスして、深みのあるジューシーな味わいに仕上げます。大人の分はチリパウダーを少量入れて、スパイシーに仕上げても美味!
<材料(大人2人+幼児1人分)>
・合びき肉…200g
[A]
・トマトカット缶…200g
・玉ねぎのすりおろし…大さじ3
・にんにくのすりおろし…1/2かけ分
・ウスターソース、オリーブ油…各大さじ1
・しょうゆ…小さじ1
・塩、こしょう…各少々
・レタス、ピザ用チーズ、あたたかいごはん…各適量
<作り方>
① 大きめの耐熱ボウルに合びき肉、[A]を入れてスプーンでよく混ぜ、ラップをして電子レンジ(600W)で7分加熱し、混ぜ合わせる。
② 器にごはん、ちぎったレタスを盛り、①をのせて、ピザ用チーズを散らす。
Point
加熱中は野菜をちぎったり、食卓をセットしたりと、同時進行で準備を進めて。加熱時間は目安です。500Wの場合は、8分20秒ほど加熱してください。
ポリ袋と電子レンジの合わせ技を使えば、卵サラダが2分で完成。卵をグラグラゆでて、殻をむいてという手間をまるっと省けるうえ、刻むのも混ぜるのも袋の中で完結するから、洗い物もゼロ!
●
簡単!絶品たまごサンド
ほっくりした黄身とぷりぷりの白身のハーモニーがたまらない、定番サンドウィッチです。加熱した卵を袋の上からもみつぶすことで、白身がザクザクとランダムにつぶれ、包丁で切るよりもマヨネーズがなじみやすくなります。
<材料(大人2人+幼児1人分)>
・卵…2個
[A]
・マヨネーズ…大さじ2
・塩、こしょう…各少々
・サンドウィッチ用食パン…4枚
<作り方>
① ポリ袋に卵を割り入れ、黄身に箸で2〜3カ所穴をあける。
② ①を耐熱ボウルに入れて袋の口をねじり、電子レンジ(600W)で1分30秒加熱して取り出し、粗熱がとれたら袋の上からもんでつぶす。
③ ②に[A]を混ぜ合わせて食パンではさみ、食べやすく切る。
Point
卵はそのまま電子レンジで加熱すると、爆発することがあるので注意! 黄身に穴をあけることで、空気の逃げ道ができて加熱中の爆発を防げます。
ポリ袋は、食品用で適度な厚みがあり、熱に強い高密度ポリエチレンのものを使用してください。必ず「電子レンジ使用OK」のものを選びましょう。
中村 陽子/料理研究家
大学卒業後、料理研究家のアシスタントを経て独立。自身の子育て経験から、離乳食やデコ弁、親子クッキング、お菓子などのレシピを考案。幼児食インストラクターの資格も生かし、親子、子ども向け雑誌、書籍、Web、広告などで活躍中。著書に『理系脳をつくる 食べられる実験図鑑』(主婦の友社)など。一男一女のママ。
https://www.yokonakamura-cooking.work/