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小さな子どもの口の大きさは直径約4cm(トイレットペーパーの芯ほどの大きさ)で、「それより小さいサイズ=口の中に入るもの」は何でも、窒息のおそれがあります。中でも子どもの食べ物の窒息事故の多くは4歳以下に起こっています。小さな子どもは噛み砕く力や飲み込む力の発達途中のため、咀嚼(そしゃく)できず丸ごと飲み込んだり、うまく飲み込めなかったりして、のどに詰まらせてしまう危険が高いです。そういった窒息事故を未然に防ぐにはどのようなことに注意したらよいでしょうか?また、もしものどに詰まらせてしまったらどう対処したらよいのでしょうか?
〈子どもが窒息してしまうリスクの高い食べ物の例〉
ブドウ、
リンゴ、
お餅、
※子どもの場合は、食品以外でも口にしてしまい、窒息の危険があります。おもちゃ、硬貨、ボタン、文房具など、子どもの口に入る大きさのものには注意しましょう。
〈窒息予防のため注意すること〉
・子どもの発達を見ながら、成長に合わせて食品を選ぶ。丸飲みにしそうなものは与えないようにする。
・食品に応じて小さくカット(1cm~1.5cm程度)する、柔らかく調理するなどの工夫をする。
・市販品に表示されている対象月齢はあくまで目安のため、子どもに与える前にもう一度、与えてもよいか?安全か?考えるようにする。
・食事の際は、水分を摂ってのどを潤してから食べさる。
・一口にたくさんの量を入れないようにする。
・食べているときは、食べることに集中させる(物を口に入れたまましゃべったり、寝転がったり、走ったり、遊びながら食べたりするのは危険)。
・食事中に子どもが驚くようなことはしない。
・子どもの年齢によらず、普段の食事が窒息につながることがあると認識し、子どもの食事中は目を離さないようにして見守り、適宜介助を行う。
・食品も食品以外でも、窒息の恐れのあるもの(だいたい4cm以下の物・ネジなどの本体から外れる可能性のある小さな部品がついているものなど)は、子どもの手の届く場所には置かないようにする。
突然声が出なくなる、首をおさえ苦しそうにする(チョークサイン)、よだれを垂らして苦しそうにする、唇が紫色になるなどの場合では窒息を疑います。
窒息状態になるとわずか数分で心停止してしまうおそれがあるため、すぐに救急車要請(119番)をし、応急処置を開始しましょう。また、可能な限り周りの人に助けを求めましょう。
〈詰まりを取り除くための応急処置〉
・1歳未満の乳児:「胸部突き上げ法」と「背部叩打法」を5~6回ずつ交互に行いましょう。
※1歳未満では、「腹部突き上げ法(ハイムリック法)」は行いません。
・1歳以上の幼児:「腹部突き上げ法(ハイムリック法)」を行いましょう。
詰まりの除去は、詰まらせた物が取れるか、救急隊と交代するまで続けましょう。
ただし、気付いた時点で子どもの意識(反応)がない場合や、のどの詰まりを取り除く応急処置をしても詰まった物が出せずに、反応がなくなった場合は、直ちに心肺蘇生=「胸骨圧迫(心臓マッサージ)+人工呼吸」を始めます。
詰まらせた物が取り除かれ、呼吸が戻った場合でも、念のために小児科へ受診しておきましょう。
※おもちゃなどの食品以外の物を詰まらせた疑いがある場合には、受診(または救急搬送)の際に、できれば詰まらせた物と同じ物を持っていくと医師の判断の助けになります。
子どもの月齢による成長・発達段階、また個人差による食事能力の獲得の早さにも違いがあります。その中で、日々安全な食事に注意するのは大変なことですが、成長段階に合わせた具体的な対応方法を理解することで、毎日の食事に気負いすぎずに、食を通じた子どもの成長も楽しんでいけるとよいですね。
東京海上日動メディカルサービス 発行
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