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10月1日は、国内の多くの地域で「衣替え」の目安とされる日。でも、クローゼットや押し入れの夏服を秋・冬服に入れ替える作業は、意外と手間がかかりますよね。自分のものだけならまだしも、ご主人やお子さんの洋服も入れ替えないといけないし、あまり着ていない洋服を見つけて「捨てようかどうしようか」で悩んだり…。そこで! 作業の進め方から断捨離のポイント、収納ケースの選び方まで、衣替えをスムーズに進めるコツを整理収納アドバイザーのすはらひろこさんに聞いてみました。
大量の衣類を引っ張り出して、一つひとつの処分を検討して、取っておくものは洗濯やクリーニングで手入れして、最後はタンスや収納ボックスに整理する…。一連の作業を頭に思い描くだけで、「面倒だな」「来週やればいいか」と思ってしまうもの。そんなママたちの悩みを解消するため、すはらさんが提唱するのは「衣替えを1日ですませようとしない」ということでした。
本格的な暑さは落ち着いても、9月はまだ寒暖のばらつきが激しい時期。一度片付けた衣類を頻繁に引っ張り出すような事態を避けるためにも、外気温の変化にあわせながら2~3回に分けて衣替えを行うのが賢いやり方です。以下に、洋服を入れ替える順番の一例を紹介するので、参考にしてみてください。
<1回目>ノースリーブやごく薄い生地、夏向けの柄のものと、薄手の長袖、羽織りものを入れ替える
<2回目>半袖と、しっかりした生地の長袖を入れ替える
<3回目>ストールなど体温調節用の小物と、ダウン、ニット類を入れ替える
すはらさんいわく、「最高気温が20度前後で安定してきた時期が、長袖に切り替える目安」だとか。一回ごとに扱う量はそれほど多くないので、かかる労力も格段に少なくなりますよ!
衣替えは手持ちのワードローブを見直す絶好のタイミングでもあります。色あせ、汚れ、ヨレなど、見た目に難があるものは思い切って捨ててしまいましょう。「捨てるかどうか悩むものはまとめて収納しておき、一度着て外出してみるのがおすすめです」とはすはらさんのアドバイス。
「その時、みんなと比べて明らかに時代遅れだな、今の自分には似合っていないなと、客観的なジャッジができれば、納得して捨てられるはずです」
また、その年にジャストサイズだった子ども服は、翌年になると間違いなく着られません。処分するか、人に譲ったり売ったりすることを検討しましょう。
続いて紹介するのは、衣替えの実作業に大きく影響する収納のコツ。適切な収納グッズを使うことはもちろんですが…。「ちょっとしたルール」を決めておくだけで、衣替え時の衣類の出し入れが、格段にスピードアップしますよ!
●衣装ケースの選び方のコツ
つい、たくさん入る深いケースを選びたくなりますが、「深いケースだとたくさん入りすぎるので、奥にどんな服があるかがわからなくなってしまいますよ」とすはらさん。
「おすすめは、深さが20センチ以下で、引き出し型の収納ケース。加えて、多段タイプではなく、一段タイプのものを選ぶこともポイントです。一段タイプを重ねて使っていれば、引っ越しをしたり、収納場所を変えた時でも、スペースにあわせて置き方をアレンジできますよ」
奥行きがある場所に前後で置く場合は、出し入れしやすいキャスター付きのものを使うのがベター。布製のふたつきケースは軽いので、天袋の収納に最適です。
●引き出し収納のコツ
肌着やTシャツ、ジーンズなどシワが気にならない服や、ハンガーに掛けておくと型崩れしやすいニットやセーターなどは、衣装ケースやタンスなどに収納しましょう。たたんでしまうことでコンパクトにまとめられますよ。
●衣類のたたみ方のコツ
同じ大きさにたたみ、縦に立ててケースに並べていくのが収納量をアップさせ、内容を把握しやすくするポイント。ニット類や子ども服はクルクルと丸めてしまうのも◎です。小物類はランドリーネットなどにひとまとめにして、衣類の上に置いておきましょう。
●クローゼット収納のコツ
上部にシーズンオフのもの、中間にハンガーでつるせるもの、下部によく使うものという具合に、クローゼットを縦に3区分するのが鉄則。こうすることで、スペースを無駄なく使えるうえに、出し入れもしやすいからです。
「中間部分は、同じ種類のハンガーを使い、同じ向きで吊るすことで衣服をスムーズに探すことができます。また、長さをそろえることで、下にできたスペースにカバンなどを収納することもできますよ」
下部の空きスペースには、扇風機などのシーズン家電を収納してもOKです。
●小物類を収納するコツ
自立しにくいバッグの収納に役立つのは、意外にも文具グッズ!
「ブックエンドやA4サイズのファイルボックスを使えば、きれいに立てて収納できます。型崩れが気になるようなものは、中にタオルを入れて膨らませてから、ブックエンドを使って立たせるようにしましょう」
ネクタイやベルトは吊すタイプの収納グッズを使ったり、細長いケースにクルクル巻いて収納するとまとまりやすいとか。
●最後に防虫&除湿の対策も忘れずに!
冬場とはいえ、侮れないのが虫食いのトラブル。防虫剤の使用はマストです。
「衣装ケースに入れる際は、説明書に書かれている量を一番上に置くようにしましょう。防虫剤のガスは下に落ちていくので、下に置いても意味がありません」
湿気の気になるクローゼットや押し入れには除湿剤を置くのも忘れずに。また、定期的に引き出しをあけて換気を行うことも湿気対策のポイントです。
「洋服はしまったままだと使わなくなります。衣替えで衣類に触れることで大切さが増し、『今度はこんなものを買ってみよう』という意欲も出てくるのではないでしょうか」とはすはらさん。最近は一つの大きなクローゼットに通年の衣類をまとめて収納し、衣替えをしない方も増えているそうですが、衣替えは季節の移り変わりを感じる絶好の機会でもあります。効率よく、そして楽しく行って、すっきりと次の季節を迎えましょう!
すはらひろこ/整理収納アドバイザー認定講師、一級建築士、インテリアコーディネーター。実践者のモチベーションを高める取り組みやすい収納法で人気を博し、著書も多数。テレビ・ラジオに出演するほか、資格認定講座の講師として全国各地を飛び回っている。