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「お金の教育」はいつから、どうやってはじめる?

掲載日:2020/11/4

「人生100年時代」といわれる今、 ニーズが高まっているのが、子どもたちに向けた「お金の教育」です。
長い人生を生き抜くためには、お金や労働の価値を知るのも大事なこと。 早くから「お金の教育」をはじめたいという気持ちもわかりますよね。
とはいえ、「具体的に何をすればいいかわからない」「何歳からはじめればいいの?」と悩んでいる方も少なくないはず。
そこで今回は、子ども向けのマネーセミナーを行う「キッズマネースクール」の代表・三浦康司さんに、未就学児~小学校低学年の子どもにもできる「お金の教育」について教えていただきました。

なぜ今、「お金の教育」が必要なの?

日本では、学校でお金について学ぶ機会はほとんどありません。 それどころか、「お金の話を人前でするのはみっともない」「子どもがお金の話をするもんじゃない」といった風潮すらあります。
でも、三浦さんによると、「海外の子どもたちは、小さなころからお金の教育を受けている」のだとか。

「アメリカや香港では、小学校からお金の授業があり、シンガポールやスウェーデン、イギリスでも、子どもたちへのマネー教育が盛んです。今の子どもたちが大人になるころには、社会はますます国際化が進んでいくはずなので、お金の教育を受けていない日本人は、経済感覚の面で遅れをとってしまうかもしれません」

また、子どもたちが老後を迎えるころには、年金や社会保障制度だけで生活するのは難しくなっているかもしれません。

「だからこそ、子どものころからお金の大切さや、正しいお金の使い方について学んでおくことが重要です。 早くからお金に関する正しい知識を身につければ、長い人生に備えることができます。 つまり、お金の教育は『これからの子どもたちが、自立して生きていくために欠かせない教養』でもあるのです」

「あれ買って!」が、「お金の教育」スタートの合図

では、お金の教育はいつからはじめればいいのでしょうか。三浦さんは、子どもがスーパーなどで「あれ買って!」とおねだりするようになったら、それがお金の教育をはじめるタイミングだといいます。

「お菓子やおもちゃを買ってほしいとおねだりするのは、子どもなりに、それがお金で買えるのだと理解している証拠です。おねだりするようになったら、まずは『お金とは何か?』を教えてあげましょう」

でも……。「お金とは何か?」を説明するのは、親にとってもなかなかの難題。三浦さんに教え方のポイントを聞いてみると、「お金とは『ありがとう』と交換するものだと説明しています」という答えが返ってきました。

「コンビニでジュースを買う場面を思い出してみてください。店員さんは『ありがとうございました』といいますよね。
このとき、私も『ありがとうございました』と返します。なぜなら、お金を払ってジュースを購入するのは、物々交換と同じだからです。
店員さんはジュースの代わりにお金をもらったから『ありがとう』といい、私はほしかったジュースをお金と交換してもらったから『ありがとう』という。
つまり、お金は誰かの役に立ったり、喜んでもらえたりしたときに、『ありがとう』と交換するもの。だから、お金ってとてもすばらしいものなんだよと、子どもたちには話しています」

あわせて、「お金は空から降ってきたりするわけではなく、ママ・パパが一生懸命働いて稼いでいるんだよ。だから大切に使わないといけないんだよ」と伝えることも大切だといいます。

「はじめのうちは、子どもは『ふーん』としかいわないかもしれません。でも、それでいいんです。何回も繰り返し伝えていくうちに、少しずつその意味がわかってくると思いますよ」とは、三浦さんからのアドバイスです。

また、お金とは何かを教えた後は、お金を使ったり、もらったり、貯めたりする経験もどんどんさせたほうがいいのだそう。下記に三浦さんに教えてもらったアイデアをまとめたので、ぜひ実践してみてください!


《すぐにできるお金の教育のアイデア》
● スーパーやコンビニで、子どもにお金を渡してレジで払ってもらう
● お店屋さんごっこをして、働いてお金を得る大変さや喜びを体験させる
● 子どもと一緒に銀行に行って、子ども名義の通帳をつくる。子どもがお年玉などをもらったら一緒に銀行に行って入金し、通帳は子どもに管理させる(カードと暗証番号はママ・パパが管理してくださいね!)


お小遣いはいつから? いくらぐらいがいい?

お小遣いのやりとりも、お金について教える絶好のチャンス。ここでは、お小遣いを使ったお金教育の実践法を解説していきましょう。
と、その前に……。お小遣いは何歳からあげればいいのか? 金額はどれくらいが適切なのか? についても伺ってみたので、まずはそちらからご紹介します!

「お小遣いは、子どもが『あれ買って!』とおねだりするようになり、お金の教育をはじめるのと同時にスタートするといいでしょう」と三浦さん。金額については、「家庭環境やお子さんの性格などにもよるので一概にはいえません。ただ、いくらあげるにせよ、親子で話し合って決めることが大切です」と話します。

ちなみに、三浦さんの知り合いのお子さんは、小学校2年生のときにお小遣いを毎月3,500円もらっていたのだとか。
小学校2年生のお小遣いとしては少し多いような気もしますが、この金額には、お子さんの習い事の月謝3,000円が含まれていました。 つまり、その子が自由に使えるお金は残りの500円。このように、お小遣いからあえて習い事にかかるお金を払わせるという方法もあります。

では、お小遣いのやりとりを通じた、お金教育の実践法に移ります。 三浦さんは、お小遣いの使い道を「貯金枠」「ありがとう枠」「自分枠」の3つに分ける方法を提案しています。


《貯金枠》
何かほしくなったときのために貯めておくお金です。

「子どもがおもちゃやゲームをほしがったら、『貯金枠のお金を来月までに500円貯めてごらん。それができたら、足りない分は出してあげるよ』という具合に伝えてみてください。お金を貯めるモチベーションがアップしますし、子どもがそのおもちゃを本当にほしいのかどうか考えるきっかけにもなりますよ」

ほしいものの金額によっては、「お手伝いしたら100円あげるから、自分で貯めてごらん」と、足りない分を子どもが稼げるようにするのもおすすめだそうですよ。


《ありがとう枠》
家族や友だちの誕生日プレゼント、寄付など、誰かのために使うお金です。

「おじいちゃん・おばあちゃんへのプレゼントを『ありがとう枠』のお金で買ったら、おじいちゃん・おばあちゃんは感激して『ありがとう』といってくれるはず。
よろこんでもらえたら子どももうれしいですし、お金は『ありがとう』と交換するものだと実感できます」


《自分枠》
おもちゃやおやつなど、自分がほしいと思ったものを買うためのお金です。ただし、「自分枠」のお金をどう使うかは、子どもの自由にしてもらい、ママ・パパは口を出さないようにするのがポイント。お小遣いをもらったその日に子どもが「自分枠」のお金を使い切ってしまったり、誰かにあげてしまったり、なくしてしまったりしても怒らずにぐっと我慢です!

「大人になって何百万円というお金を失ったら、それは大変な損害です。でも、4歳の子どもが400円のお小遣いを浪費しても、それは取り返しがつきますよね。子どもの失敗は、失敗ではなく『学び』。お金の教育は、子どもを信じて見守ることも大切です」





「お金の教育」は、人生100年時代を生き抜くために“必要な教養”です。 この機会にぜひ、お子さんと一緒にお金について考えてみてはいかがでしょうか。

三浦康司
キッズマネースクール代表、一般社団法人日本こどもの生き抜く力育成協会代表理事。ファイナンシャルプランナーの知識を生かしてはじめた「お金の教育」が口コミで話題を呼び、2014年よりキッズマネースクールを開催。著書に『10歳までに身につけたい子どもが一生困らないお金のルール』(青春出版社)がある。
キッズマネースクール https://kids-money.com/

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