mamaomoi mamaomoi

ママのための情報サイト

close

mama知っ得!情報

野菜ソムリエ直伝!野菜と果物の正しい保存方法を教えます

掲載日:2023/1/25

数日前に買った野菜を使おうと思ったら、もうしなしな…。そんな悲しい経験はありませんか? 実は、野菜や果物の鮮度を保つには、ちょっとしたコツがあるんです。
野菜の特性を知りつくした野菜ソムリエプロの根本早苗さんに、野菜や果物の正しい保存法を教えていただきました。

知っておきたい野菜保存の大原則

まずは、多くの野菜に共通する保存の基本をチェックしましょう。下記の方法がすべての野菜に当てはまるわけではありませんが、原則を知っておくと迷うことが少なくなりますね。

●育ってきた状態に近づける
野菜は収穫後も生きています。鮮度やおいしさを長持ちさせるには、野菜にストレスをかけないことが大事! 野菜が育っていた状態に近づけて保存しましょう。
保存場所は、野菜が育つ季節を判断基準にします。なすやきゅうりなどの夏野菜は、冷蔵庫の中でも温度が高めの野菜室(3〜8度)へ。にんじんや大根、白菜などの冬野菜は、冷蔵室(2〜6度)へ入れましょう。じゃがいもや玉ねぎ、さつまいもなどは、冷暗所保存でOKです(ただし気温が高い時季は注意が必要)。

また、ほうれん草や小松菜などの葉野菜は、冷蔵室へ。土に植わっていた状態を再現するように、立てて保存するのが基本です。立てる保存には、冷蔵室のポケットに入れるほか、プラスチックボックスを活用するのもおすすめです。

●野菜に「お洋服」を着せましょう
買ってきた野菜を袋のまま冷蔵庫に入れておくと、袋の内側に水滴がつきますね。これは蒸散といって、野菜から水蒸気が出ているから。袋についた水けが野菜に付着すると、そこからグジュグジュと傷んできてしまいます。
蒸散による鮮度低下を防ぐためにおすすめなのが、野菜に「お洋服を着せる」こと。キッチンペーパーや新聞紙に包むことで、水蒸気をペーパーが吸って、野菜をほどよく保湿してくれます。さらに、買ってきたときに入っていた包装材に戻し、ポリ袋に入れて軽く口を閉じれば、乾燥も防げて完璧!

●包装材は捨てずに活用!
野菜が入っている包装材は、実はとても優秀! 鮮度が落ちにくいように研究しつくされているので、キッチンペーパーで包んだ野菜は、もとの袋に戻すのがベストです。とくにおすすめは、ベビーリーフの袋。傷みやすいベビーリーフを守っている袋は、ほかの野菜の保存にもうってつけ。ぜひ捨てずに活用しましょう。



なかなか使いきれない野菜もコレで長持ち!

大玉で買ったキャベツや彩りに少しだけ使いたいミニトマトなど、「冷蔵庫の中でいつのまにか傷んでいた…!」という悲劇がおきやすい野菜たちをピックアップ。ちょっとしたひと手間で鮮度がグンと長持ちします。

●レタス&キャベツ
スーパーで1/2カットのキャベツを手にしたとき、断面が盛り上がっているものを目にすることはありませんか? この盛り上がりの理由は、キャベツが成長を続けているから。しかし、その成長のために使われるのは、自分の葉に貯めた養分です。栄養が分解されて成長にまわされるため、おいしさも落ちてしまいます。

それを防ぐために有効なのが、成長点の破壊です。芯にある成長点を壊すことで、鮮度を守り、栄養価を落ちにくくすることができます。1/2カット、1/4カットのキャベツやレタスなら、芯をV字にカットしてすべて取り除きます。丸ごとならば、芯に楊枝を3本くらいグッと深く刺して、成長点を壊しましょう。
そのうえで、キッチンペーパーですきまなく包んでポリ袋に入れ、芯の部分を下にして冷蔵室で保存します。

キャベツやレタスの切り口が黒やピンクに変色するのは、ポリフェノールが空気に触れて酸化しているから。りんごの切り口が茶色くなるのと同じで、傷んでいるわけではありません。気になるときは、1%の酢水に浸してしっかり絞ったキッチンペーパーで包むと、変色を最小限に抑えられます。



●トマト&ミニトマト
トマトはヘタの部分に雑菌が多くついています。ヘタを取ってよく洗い、しっかり水けを拭いてから、キッチンペーパーで1個ずつ包んでポリ袋に入れ、ヘタ側を下にして野菜室で保存しましょう。
ミニトマトも同様に、ヘタを取ってよく洗い、水けを拭いたら、キッチンペーパーを敷いた容器にヘタ側を下にして並べましょう。上からもキッチンペーパーをかぶせて蓋をし、野菜室で保存します。

ただし、トマトもミニトマトもヘタを無理に取って果肉が見えてしまうと、かえって傷みやすくなります。ヘタが取りづらい場合は、ヘタ部分を流水でよく洗って、上記の通りに保存すれば OK。食べる前にもヘタのまわりをよく洗ってください。

●ブロッコリー
ブロッコリーの房の部分は、花の蕾。花が咲くと、エネルギーが大量に消費されて栄養価もおいしさもガクンと落ちてしまうので、買ってきたらなるべく早めに食べ切りたい野菜です。すぐに使えないときは、キッチンペーパーで全体をすきまなく包んでポリ袋に入れ、冷蔵室で立てて保存しましょう。

根菜は使い方にもコツあり!

にんじんや大根、かぶなどの根菜類は、収穫後も葉を伸ばして成長を続けます。葉つきで買ってきたものは、すぐに葉と実を切り分けて保存するのが鉄則です。

●じゃがいも
じゃがいもは泥つきのまま、ダンボールや紙袋に入れ、冷暗所で保存します。ダンボールに入れる場合は、上から新聞紙をかけて遮光します。紙袋なら、口を軽く閉じてもよいでしょう。適当な冷暗所がない場合は、黒い袋に入れるのでもOKです(とくにマンションなどの夏場は注意が必要)。
また、りんごを一緒に入れておくと、りんごから出るエチレンガスの効果で、発芽を遅らせることができます。

●大根&かぶ
葉がついている場合は切り分け、それぞれキッチンペーパーで包んでからポリ袋に入れ、冷蔵室で保存します。

●にんじん
1本ずつキッチンペーパーでくるみ、買ってきたときの包装材に戻し、さらにポリ袋に入れて冷蔵室へ。ポケットやプラケースを活用して、立てて保存しましょう。

「にんじんを半分だけ使いたい」「大根を1本買ったけど、今日使うのは1/4だけ」というときは、ヘタ側から使いましょう。ヘタが残っていると、カットされたあとも葉を伸ばすために栄養が使われてしまいます。



余りがちな香味野菜を賢く保存!

料理の味わいを引き立ててくれる香味野菜ですが、使い切りに悩む人も多いよう。しょうがが縮んでしまったり、にんにくから芽が出てしまったり、いざ使おうというときに風味が落ちてしまっていることも。正しい保存法を押さえれば、いつでもフレッシュな香りをプラスできます。

●しょうが
保存容器にしょうがを入れ、かぶる程度の水を注ぎ、蓋をして冷蔵庫で保存します。 1週間に1回、容器を洗い、水をかえましょう。
すりおろして冷凍用保存袋に入れ、板状に薄く伸ばして冷凍しておいても便利。必要な分だけポキッと折って使えます。

●にんにく
キッチンペーパーに包んで保存袋に入れ、チルド室で保存すると、芽が出にくくなります。

●長ねぎ
青い部分と白い部分に分けて、別々に保存します。根元は濡らしたキッチンペーパーで包み、上は乾いたキッチンペーパーで包みます。さらにポリ袋に入れ、立てて冷蔵室で保存します。

●青ねぎ
小口切りにし、冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍しておけば、スープや味噌汁、チャーハンなどに、ぱらりと入れることができて便利!



熟しやすい果物の最適な保存方法は?

朝食やおやつ、デザートにあるとうれしいフルーツ。食べごろを長くキープするためのポイントを、お手頃価格の人気フルーツ2つでご紹介します。

●バナナ
バナナは完熟を進めるエチレンガスを発しています。房のまま置いておくと、バナナ同士がお互いのエチレンガスを浴びて追熟がどんどん進行! 皮が黒くなったり、実がやわらかくなりすぎたりする原因になります。1本ずつポリ袋にくるみ、立てるなど接地面を少なくして保存しましょう。
また、野菜室に入れるのもおすすめ。皮は黒くなりますが、果肉がやわらかくなるのをかなり遅らせることができます。

●みかん
ヘタを下にして重ならないように並べ、常温で保存します。硬いヘタ部分を下にすることで、果肉が傷みにくくなります。



困ったときは冷凍保存もおすすめ!

すぐに使わないとき、まとめてたくさん買ったときには、冷凍保存もおすすめ。野菜を冷凍することで、栄養価がキープできます。きのこ類などは旨味もアップ!

野菜の習性や特徴に合わせた保存をすれば、驚くほど鮮度は長持ちに! キッチンペーパーのお洋服作戦や、芯を取って成長させないようにするなど、基本を押さえた賢い保存法で、野菜&果物をおいしく食べましょう。







根本 早苗

根本 早苗(ねもと・さなえ)/楽ベジStyle代表、料理研究家、野菜ソムリエプロ
野菜ソムリエのほか、冷凍生活アドバイザー、食生活指導士などの資格を活かして、野菜のおいしい食べ方を発信。野菜の栄養価をキープしながら保存&調理できる提案に定評があり、レシピ開発や講師、WEBサイトやテレビの監修など、幅広く活躍。
https://rakuvege-style.com

関連記事 関連記事

pick up pick up