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幼児期からがベスト? 早期英語教育のメリットと学習方法

掲載日:2024/9/4
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2020年度から小学3年生~6年生を対象に外国語教育(主に英語教育)が必修化されています。就学前からの英語教育にも注目が多く集まっています。そこで、今回は言語教育専門家でバイリンガル育成スクール「SUNNY BUNNY」「英語自在」を運営されている羽織愛さんに、幼児期からの早期英語学習についてうかがいました。日本生まれ、日本育ちの娘さんをバイリンガルに育てた先輩ママでもあります。

早期英語教育とは? 幼児にも必要?

早期英語教育については、必要性や効果などについていろいろな研究が行われ、意見が交わされています。私が考える早期英語教育の最大のメリットは、子どもが自然に言語を吸収しやすい時期に英語に触れることができる点です。

幼児期は新しい言語を自然に吸収する能力が高い時期であるため、この時期に英語教育を始めることで子どもたちは英語の音やリズム、発音を自然と身につけることができます。よって、発音やリスニング力が飛躍的に向上し、将来的にネイティブライクな非常に流暢な英語を話すことができるようになる可能性が広がります。ちなみに私のスクールでは、主に2~3歳くらいからスタートされるお子さんが多いです。

また、幼児期に英語を学ぶことで、異文化に対して理解する力などが養われます。言語に対する興味や好奇心が芽生えることをきっかけとし、より自然な形で偏見のないグローバルな視野や感覚、多様性を身につけていきます。



幼児期に英語教育をするメリット

早期英語教育で子どもたちが得られる利点は数多くありますが、主なものは以下になります。

①きれいな発音が身につく
幼児期は正しい発音やイントネーションを自然に模倣するのに適した時期であるとされています。私も娘が子どもの頃に、日本人には聞き分けが難しいとされている英語の発音を聞き分けたり、比較的難しいとされている英語の発音を難なく身につけたりしていく様子を見て驚いたことがあります。幼児期に正しい方法で英語学習をスタートすることで、よりきれいな英語の発音を、より簡単に習得することが可能です。

②言語の壁を感じない
幼児期は新しい言語に対して柔軟です。母語である日本語も日々習得している状態ですから、同様に英語も抵抗なく習得していくことができます。幼児期に母語とは異なる言語に触れることで、外国語や異文化に対する偏見のない考えを養うことができます。

③異文化理解が深まる
幼児期から異なる文化と言語に触れることで、子どもたちは異文化に対する理解と尊重を自然と身につけます。異文化・多言語理解は、今のグローバル社会において非常に重要なスキルであり、幼児期からの英語教育がその基盤を築く役割を果たしていくと考えられます。



幼児期の英語教育における注意点

早期英語教育には多くのメリットがある一方で、いくつかの注意点も存在します。急いで始める前に、理解しておきましょう。

●子どものペースを尊重する
英語教育に限ったことではありませんが、子どもが興味を持ち、楽しんで学べる環境を作ることが何よりも大切です。強制的に学ばせるのではなく、自然な形で英語に触れる機会を提供しましょう。たとえば、そのときに子どもが興味を持っているテーマに関連する英語の絵本や歌を選ぶとよいでしょう。車に興味があるのであれば、車が載っている英語絵本や英語動画を見せるなど、まずは子どもが純粋に楽しい!と思えるような環境作りから始めてください。

●日本語と英語のバランスを保つ
幼い頃に外国語を学ぶことで、日本語に影響はないのか?という心配もあるでしょう。英語教育に偏りすぎず、日本語やほかの遊びなどとのバランスを保つことは重要です。耳を英語に慣れさせたいからと、1日数時間も英語の歌や英会話の音源を流し続けられることは、子どもにとっては苦痛になりかねません。英語に慣れるどころか、逆に拒否反応を覚えてしまうこともあるので注意しましょう。

また、日本人の親が第1言語の日本語をおろそかにして、子どもにずっと英語だけで話しかけることも避けたほうがよいでしょう。基本は日本語で話しかけて、その中に英語を入れていくという形で、うまくバランスを取りながら取り組むことが大切です。小さい頃に英語に取り組むと日本語に支障が出るのでは?と心配される方も多くいらっしゃいますが、このように日本語をベースにきちんとバランスを取って取り組めば心配ありません。第2言語を学んだことにより、むしろ母語の言語能力も向上したという新しい研究結果も出ています。

●継続性を持って取り組む
幼児期の英語は覚えやすく、忘れやすいのが特徴です。短期間だけの成果を求めるのではなく、継続的に、日常生活の中に英語を取り入れる工夫をしましょう。たとえば、決めた時間に子どもと英会話タイムを取り入れる、英語の歌を一緒に歌う、英語の絵本やテレビ番組、動画を視聴するなどは、気軽に取り組めて、継続しやすい方法です。



自宅でできるおすすめ学習方法

早期英語教育を本格的に取り組むなら、専門家のいるスクールに通うことは検討したいところです。ただ、ご家庭でできることもたくさんあります。どれも気軽にできることばかりなので、少しずつでも始めてみてはいかがでしょうか。

◎英語の絵本を一緒に読む
英語の絵本は、言葉のリズムや単語を学ぶのに最適です。親子で一緒に楽しむことで、英語への興味も深まります。どの絵本を選べばいいかわからないという方は、まずは英語圏で出版され、長年子どもたちに愛されているようなベストセラーなどを選ぶのがおすすめです。自分の発音に自信がない保護者の方には、CD付きの絵本がおすすめです。発音に気をつけて、モデルとなる音を聴きながら声に出して読んであげてください。ご自身の発音練習も兼ねて、一緒に英語を上達させる気持ちで取り組むとよいですね。

◎英語の歌や動画を視聴する
幼児向けの英語の歌やアニメを子どもと一緒に視聴することで、楽しみながら自然に英語に触れることができます。子どもが興味を持てる内容は何かを探しながら、英語の学習として、また教育として良い内容のものを選んであげてください。YouTubeや配信番組などでいろいろなコンテンツを探して、子どもが興味を持ったものを一緒に楽しむのもいいでしょう。

◎英語で簡単な会話をする
簡単な日常会話を英語で行うことで、実践力を養うことができます。日本語と混ざらないよう、英語をランダムに話すのではなく、時間を決めて取り組みましょう。たとえば、朝起きてすぐやお風呂の時間など、毎日ここと決めて、英語タイムを作るのがおすすめです。

英会話が苦手な方は、自分の英語で話しかけて大丈夫かと心配されますが、実践練習は絶対に必要なんです。たとえば、お子さんがサッカーに興味を持って、上達させてあげたいと考えたら、まずサッカーボールを買って、パパやママがサッカーが苦手でも、とにかく一緒に蹴ったり触ったりしてサッカーボールに慣れていくことが大切であることは想像できますよね。
英語を実際に話すという練習は、サッカーで例えればサッカーボールを蹴る練習のようなものです。まずはボールに慣れてみるという気持ちで、英語をおうちで話してみてください。



幼児への英語教育のポイント

早期英語教育では、「習慣化」がもっとも大切です。日本語をベースとした生活に、英語も毎日、当然のようにある状態を目指しましょう。量より質を重視するのもポイント。何冊・何語・何時間などの量を強制するのではなく、どんな英語を教えたいか、どんな英語を話してほしいかを常に意識して、「質」の良い英語教育を心がけましょう。テストなどの短期間の成果を求めず、将来大きくなったときに役立つように…と、未来を見据えて長期的にバイリンガル教育の計画を立てましょう。

おうちでの英語の取り組みに行き詰まってしまったら、早めに英語教育の専門家のアドバイスを取り入れることをおすすめします。英語教室に通わず、おうちだけで取り組むご家庭もありますが、難しさを感じたときは視野を広げて、さまざまな方法を検討しましょう。
スクールへの入学を検討する際は、少なくとも3校は見学して、通わせやすさやお子さんの個性に合っているかなどを比較してください。通学を始めたら、先生と一緒に力を合わせてのバイリンガル育成が始まります。長く通学するためにも、入学前の検討はしっかり行うのがおすすめです。

英語教育をするかどうか悩んでいるご家庭は、気軽にできるところから取り入れてみてはいかがでしょうか。英語の動画を見せていたら、お子さんがきれいな英語の発音をしたので驚いて、それをきっかけに英語教育をスタートした!というご家庭のお話もよく聞きます。英語学習に向いているタイプかどうか試してみる、くらいの気持ちでもよいと思います。まずは気負わずに、ぜひおうちで英語を取り入れてみましょう!

羽織 愛

羽織 愛/言語教育専門家、NPO法人早期英語教育研究会理事長
バイリンガル育成スクール「SUNNY BUNNY」「英語自在」を運営。中学校・高等学校英語科教員免許状[専修]、英語教育学修士(Master)の資格を持ち、小・中学生向けの進学塾で英語科指導・教材作成担当、英検準1級〜5級指導員、児童英語教室講師の指導歴がある。「日本を英語が話せるバイリンガルでいっぱいにしたい」という夢に向け、英語教育のために奔走している。著書に『1日5分からの英語で子育て』(すばる舎)がある。
https://aihaori.info/

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