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赤ちゃんのお祝いごと「お食い初め」とは?

掲載日:2023/6/21
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お食い初めとは、 「一生食べ物に恵まれますように」との願いをこめて赤ちゃんに食べ真似をさせる儀式のこといいます。 その伝統は古く、 平安時代から執り行われています。 歴史のある儀式となると、「準備が大変そう」「しきたりが多いのでは?」なんて、つい身構えてしまいそうですが、 お食い初めの基本を知って、赤ちゃんの成長を祝う一大イベントを楽しみましょう。

お食い初めって、どんな行事?

赤ちゃんが誕生してから100日~120日頃に、膳を用意して祝う儀式です。地域によっては「真魚(まな)始め」、「箸初め」、ほかにも生後100日頃にお祝いすることが多いことから「百日(ももか)の祝い」と呼ばれる こともあります。

また、お食い初めと歯の関係は深く、丈夫な歯で永く食事ができるように祈願する「歯固めの儀式」も一緒に行われることが多いようです。歯固めの儀式は地域によってさまざまで、お正月に行うところもあります。

お食い初めと並行して「色直し式」を行うこともあります。これまで白い産着を着ていた赤ちゃんに色付きの衣服を着せる儀式です。晴れ着は母方の実家から贈ってもらうのがしきたりですが、形式にとらわれず色付きのベビー服などを着せてあげるとよいでしょう。

お食い初めを行う時期や場所は?

赤ちゃんの乳歯が生え始める生後100日前後を目安に、生後100日~120日頃に行います。必ず100日目に…ということはないので、赤ちゃんの体調を第一に考えて計画を立てましょう。両家の祖父母や親類を招いてお祝いする場合は、100日目前後の休日に設定するのもいいですね。
近畿地方の一部地域では、あえて生後120日目以降の吉日にお食い初めを行う「食いのばし」という文化もあるとか。お食い初めの日を先延ばしにすることで、長寿になると伝えられています。

場所は、自宅や、近所の行き慣れた祖父母宅だと赤ちゃんの負担が少なく、家族水入らずで行えますね。一方で、赤ちゃんのお世話をしながら祝い膳の食器をそろえたり、料理を作ったりするのが大変…。そんな場合は、お食い初めの料理を扱うレストランやホテルを利用するのもおすすめです。

自宅でお食い初めを行う場合、用意するものは?

本式で行うなら、家紋を入れた漆塗りのお膳とお椀を準備します。男の子は朱塗りの器、女の子は外面が黒塗りで内側が朱塗りの器を、箸は柳の白木のものを用意しましょう。母方の実家が贈るのが習わしですが、 出産祝いに知人や、お宮参りで神社から贈られることもあります。一式をそろえなくても、ご飯茶碗と汁椀、箸だけをそろえるのもよいでしょう。

形式にこだわらないなら、愛着を持って長く使える木製の食器を代用するのも素敵ですね。お祝い用に新しく買いそろえるのもいいですし、使い慣れた食器でも問題ありません。
最近ではお食い初め用の食器レンタルという便利なサービスもあります。伝統的な漆器や人気キャラクターとコラボしたお膳など、種類も豊富ですよ。

祝い膳の基本の献立は?

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お祝いの心を表す献立を用意します。ご飯、吸い物、尾頭付きの魚、煮物、香の物(または酢の物や刺身)という、一汁三菜が基本。伝統的な献立では、使う食材にもさまざまな意味や願いが込められています。和食にこだわらず、洋食ならピラフに野菜スープ、魚の洋風煮付けにサラダ、というメニューでも。 同時に「歯固めの儀式」を行う場合は、高坏(たかつき)やお皿の上に「歯固め石」と呼ばれる小石も一緒に並べます。

●ご飯
おめでたい席のご飯の定番といえば赤飯です。日本では、古来、赤色は「邪気を払う」といわれてきたことから、赤い小豆で赤く染めた強飯は祝意を表します。季節に合わせて豆ご飯や栗ご飯、一般的な白飯や白がゆでもかまいません。

●吸い物
鯛やハマグリのお吸い物がよいとされます。鯛は「めでたい」という言霊信仰もあり、縁起のよい魚とされてきました。ハマグリは、上下の貝殻が一対になっているため、「良縁に恵まれる」といわれています。

●尾頭付きの魚
頭から尾までの意味そのままに、「始まりから終わりまで、人生をまっとうできますように」という縁起を担いでいます。尾頭付きといえば鯛が有名ですが、尾頭付きであればどの魚でも祝意を表すことができます。

●煮物
生まれた季節は赤ちゃんによってそれぞれなので、旬の素材からお祝いの意味があるものや縁起のいい食材を選ぶとよいでしょう。たとえば、煮物でよく使われるカボチャは、実が黄色いことから「邪気を払う太陽の色」とされ、冬至にも食べる習慣がありますね。
ほか、タケノコはすくすく育つことから「立身出世」、レンコンは穴から向こう側が見通せることから「将来の見通しがよい」、エビは赤いことから高貴な色として崇められ、「腰が曲がるまで」という長寿の願いも込められています。

●香の物
旬の野菜の漬物や、酢の物ならタコは、多幸にかけて「幸せを呼び込む」といわれています。紅白なますは、水引のように細切りにした人参と大根で紅白を表して祝いの気持ちが込められています。または、魚の刺身を用意してもよいでしょう。

●歯固め石
川原や海岸で拾った丸い小石やお宮参りの際に氏神様からいただいた石を使うとよいとされています。歯固め石と一緒に、「シワができるまで長生きできるように」との願いから梅干しを添えたり、戦国武将が戦の前に縁起物として味わった勝ち栗を盛ったりする場合もあります。
地域によっては、小石ではなくタコやアワビを用意するところもあります。

食べさせ方に決まりはある?

赤ちゃんに食べさせるのは、その場にいる年長者にお願いする習慣があります。この時期の赤ちゃんはほとんどがまだ離乳食前なので、赤ちゃんを膝に抱き、口元に料理を運んで唇に当てるなど、食べさせる仕草をするだけで大丈夫。
赤ちゃんが男の子なら女性に、女の子なら男性という習わしがありますが、 親子だけで行う場合は、お父さん、お母さんのどちらが食べさせてもかまいません。

口元に運ぶ順番は、「ご飯→吸い物→ご飯→魚→ご飯」を3回繰り返すのが本式といわれていますが、1品で終わらせることもあれば、ご飯を1粒だけ食べさせる地域もあるようです。
続いて「歯固めの儀式」を行う場合は、箸の先で小石に触れ、その箸を赤ちゃんの歯茎に優しくそっと当てましょう。

お食い初めは、すくすく育つ赤ちゃんと、それを見守るご家族にとって、一生に一度の大切なイベントのひとつです。本式にこだわるもよし、今の時代に合わせた便利なサービスを活用するもよし。それぞれの家族のスタイルに合わせて、素敵な思い出を作ってくださいね。



【出典・参考】
<書籍>
・赤ちゃん・子どもの祝いごと歳時記 (成美堂出版) ・イラスト・写真で見やすい 赤ちゃん・子どものお祝いごとがわかる本 (朝日新聞出版) ・赤ちゃん・子どものお祝いごとと季節のイベント (河出書房新社) ・家族で楽しむ 子どものお祝いごとと季節の行事 (日本文芸社) ・ニッポンの縁起食 なぜ「赤飯」を炊くのか (NHK出版)

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