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吃音（きつおん）ってどんなもの？

吃音（きつおん）とは

吃音とは、話すときに言葉が滑らかに出ない発話障害のことです。吃音の話し方の特徴として、以下の3つがあります。

・音の繰り返し（連発）　例：「あ、あ、あのね」「た、た、たぬき」「わ、わ、わたし」
・引き伸ばし（伸発）　例：「あーーのね」「たーーぬき」「わーーたし」
・ことばが出ずに間が空いたり、つまってしまう（難発、ブロック）例：「.....あっ...のね」「.....たぬき」「.....わたし」

上記のような話し方の特徴がみられ、話すときの滑らかさやリズミカルな流れが著しく乱れるほど、頻繁にみられる場合に、吃音と定義されています。

吃音の原因は？

吃音は、低年齢から発症する発達性吃音と、それ以外の獲得性吃音に分けられます。吃音の9割以上は発達性吃音とされています。

発達性吃音の原因について、以前は保護者の接し方が悪かったことが原因とする説が言われていた時代もありましたが、保護者の接し方が原因で、お子様に吃音が生じるわけではありません。近年は研究が進み、現在では環境的な要因よりも、生まれ持った体質的な要因が、吃音の原因の大半を占めることが明らかになってきました。最近の吃音に対する考え方は、吃音とうまく付き合っていく方法を支援者とともに考えていくことが大切であるとされています。

一方獲得性吃音の原因としては、頭部の外傷など、脳に損傷を受けて起きる「神経原性吃音」があります。また、大人になってから心理的原因によって吃音が生じることがあります。発症時期は、どちらも主に青年以降（10代後半以降）です。

吃音の経過

発達性吃音は、ほとんどが幼児期（2〜4歳がピーク）に発症します。
吃音の問題は、多くの場合、お子様の成長とともに徐々に軽くなっていきます。特に、幼児期の吃音の場合、7〜8割は特別な指導や支援を受けなくても、小学校に入学するぐらいまでに吃音の問題が見られなくなると言われています。
また、小学校入学後も引き続き吃音がみられるお子様でも、ことばの教室や言語聴覚士の適切な指導・支援を受けることで、日常生活の中でそれほど大きな支障なく過ごせるようになってきます。

お子様への接し方

吃音が出始めると、どのように接したらよいか迷われると思いますが、お子様が楽しくお話を続けられるように、話を聞いてあげるのがよいです。
以前は、「吃音に気づかせない方がよい」という考え方が主流でしたが、現在はそういった対応は否定されています。吃音の話し方は、「くせ」のようなものであり、悪いことやいけないことではないことをお子様に説明し、『つっかえてもいいから、たくさんお話してね』と伝えましょう。吃音を気にして吃音を出さないようにと力が入ってしまうと、吃音は悪化することがありますので、悪化を防ぐことが大切です。お子様がコミュニケーションの楽しさを感じ、たくさんお話をすることで、話す能力も発達しやすくなります。

吃音のあるお子様と接するときのポイントは、以下の通りです。
・お子様と話すときは、お子様の話す速さと同じくらいか、少しゆっくり目に話す。
・簡単なことばで、わかりやすく短い文で話しかけると、お子様も話しやすい。
・お子様が話している時は、相槌を打ちながら、できるだけ最後まで話を聞く。お子様が話し終えるまで、大人側から別の話題を話さないようにする。
・お子様が話し終わったら、ひと呼吸置いて（少し間を空けて）お子様に話しかける。
・お子様に「落ち着いて」「ゆっくり」などの声かけは、できるだけ控える。

相談・支援

吃音に関する支援は、主に言語聴覚士が担当します。学齢期のお子様であれば、小学校に設置されている「ことばの教室」で、吃音の軽減や改善のための指導・支援を受けられる場合があります。
また、幼児のお子様や、学齢期のお子様で小学校にことばの教室が設置されていない場合には、療育センターや病院のリハビリテーション科、耳鼻科、小児科など（病院により診療科が異なります）で、言語聴覚士から指導や支援を受けられる場合があります。
ことばの教室については、担任の先生や、お住まいの市区町村の教育委員会にご確認いただければと思います。
また、言語聴覚士のいる療育センターや病院については、地域の保健センターや各都道府県の言語聴覚士会などにお尋ね下さい。