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乳がん検診は、乳がんによる死亡率を減少させることを目的として実施されています。乳がんは、日本での女性におけるがん死亡率において上位に位置しておりますが、早期に発見し治療ができれば、9割以上のケースで治すことが期待できます。
早期の乳がんは自覚症状がないことも多いため、気になる症状がなかったとしても定期的に検診を受けることが大切です。
Q1. 乳がん検診では何を調べるの?
A.
乳がん検診では、マンモグラフィや乳腺超音波検査(エコー)を単独または組み合わせて行い、乳房のしこりや石灰化等、がんが疑わしい所見がないかを調べます。
早期の乳がんは、自覚症状がほとんどなく自分自身で気づくことは難しいため、マンモグラフィや超音波検査等の画像診断が有効です。
Q2. マンモグラフィとは、どんな検査なの?
A.
マンモグラフィは乳房専用のX線(レントゲン)検査です。
乳房はやわらかい組織でできているため、乳房を圧迫し固定した状態で検査を行います。
乳房をできるだけ引き出して片方ずつプラスチックの板で挟み、徐々に圧迫を加えて乳房が平らに伸ばされた状態で撮影をします。
圧迫により乳房の厚みが均一になることで乳腺の重なりが少なくなり、より鮮明に状態が確認できます。
圧迫時間は十秒ほどですが、痛みを感じることがあります。痛みが強ければ、遠慮せずに担当技師へお伝えください。
マンモグラフィでは、乳房内の全体的な乳腺の状態が確認でき、乳腺は白く、脂肪は黒く写ります。「しこり」がある場合は白く写ります。また、早期の乳がんでは「石灰化」が細かな白い粒や線状に写ることがあり、この石灰化を写し出すことに優れているのがマンモグラフィの特徴です。しこりに関しては、乳腺もしこりも白く写し出されるため、乳腺組織が豊富な「高濃度乳腺※」の方では、乳腺の重なりと小さなしこりの判別が難しい場合があります。
※高濃度乳腺:乳房は主に乳腺と脂肪からできているが、乳房の中の乳腺が多いタイプのこと。乳腺と脂肪の割合は個人差がある。マンモグラフィでは、乳房の中の乳腺が多い「高濃度乳腺」の場合、乳房が白く写ってしまい、しこりの判別が難しい場合がある。
Q3. 乳腺超音波検査(エコー)では、何がわかるの?
A.
乳腺超音波検査は、乳房に超音波を当て、反射して返ってくる信号を画像にする検査です。
超音波検査では、乳房のしこりの内部や表面の状態が写り、その画像からしこりが良性か悪性かを識別することができます。また、乳腺組織が豊富な「高濃度乳腺※」の方でもしこりを発見することができ、手で触ってもわからないような小さなしこりを発見することも可能です。
しかし、マンモグラフィでは確認可能な石灰化に関しては、超音波検査では確認が難しい場合があります。
Q4. 乳がん検診はどのくらいの間隔で受けたらいいの?
A.
厚生労働省の指針では、乳がん検診については、40歳以上の方は2年に1回マンモグラフィ検査を受けるよう推奨しています。
乳がん検診の目的は乳がんで亡くなる人を減らすことですが、現在科学的に乳がんによる死亡率の減少効果があると証明されている検査方法は、マンモグラフィになります。また、統計上日本人女性の乳がんの好発年齢が45~49歳と60~64歳にピークがありますので、日本では40歳以上の女性に対して、マンモグラフィによる検診が推奨されています。
尚、妊娠中の場合は、X線(レントゲン)検査による被曝の問題や検査時のトラブル防止のため、マンモグラフィは推奨されておりせん。また授乳中の方は、乳腺が発達した状態になっており、マンモグラフィでは乳房が全体的に白く写ってしまい、正確な診断が困難になるため、断乳後6ヵ月を目安に受けるとよいでしょう。
乳腺超音波検査に関しても、妊娠中や授乳中でも検査は可能ですが、通常よりは精度が悪くなる可能性があります。
ただし、しこり等の自覚症状がある場合は、妊娠中や授乳中であっても乳腺科・乳腺外科の受診をおすすめいたします。
東京海上日動メディカルサービス 発行
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