mamaomoi mamaomoi

ママのための情報サイト

close

mama知っ得!情報

はじめてのスマートフォン、幼児期の使わせ方は!?

掲載日:2023/8/23


育児中であらゆる余裕のないママにとって、子どもがスマートフォン(以下、スマホ)に夢中になっている時間は“神タイム”と言えるほどありがたいもの。とはいえ、「こんなに小さいときからスマホを見せていいの?」「リスクはないの?」と不安を感じることもあるでしょう。

今回はITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザーで、子どもとスマホに関する情報を発信している鈴木朋子さんに、未就学児とスマホの上手な付き合い方についてうかがいました。



子どもにスマホを使わせることのリスクと対策

まずはママたちが一番気になる、子どもにスマホに使わせる際に想定される主なリスクとその対策について。親のスマホを一時期的に貸すことを想定しています。

①不適切なコンテンツへの着地
大人のスマホの中には、子どもには不適切なコンテンツがたくさん入っています。ましてや幼児はスマホ画面のさまざまな場所に興味津々。安全なコンテンツを見せているつもりでも、ふとしたはずみで別のアプリやリンクをタップし、不適切なコンテンツが目に触れるというケースは往々にしてあります。

②アプリの高額請求は返金が難しい
特に気をつけたいのがゲームアプリです。「課金」や「有料」の概念がわからない子どもが、親の知らぬ間に有料アイテムを連打してしまい、高額な請求が届いたという悲劇は後を絶ちません。しかも、このようなトラブルは親の管理ミスを指摘され、返金は難しいそうです。

③子ども向けコンテンツを装った悪意ある動画「エルサゲート」
おもちゃや人気キャラクターが出てくる動画なら安心して見せられる…。このような親の油断を突いた「エルサゲート」にも注意が必要です。エルサゲートとは、冒頭のような子どもが好む動画を装いながら、暴力的・性的な内容の動画のこと。子どもが何も知らずに見てしまったら、長きにわたるトラウマになりかねません。

④健康面への影響
スマホを長時間使うと目や姿勢が悪くなる、指や手首が変形する、痛みが出るといった健康面のリスクが取り沙汰されることがありますが、因果関係は今のところまだ明らかになっていません。気になる方はスマホスタンドを使用する、YouTubeなどの動画はテレビやタブレットで見せるといった対策をとるといいでしょう。



①~③のリスクは、こまめに子どもの様子をチェックすることや使用履歴の確認、後述するアクセスガイドやフィルタリングの適用などで対策しましょう。YouTubeで安全な動画を見せたい場合は「YouTube Kids」という専用アプリもおすすめです。



子どもにスマホを使わせるときに気をつけること

上記のリスクを回避するために、親が事前にできることはたくさんあります。下記に一例を紹介しましょう。

●時間制限などルールを設ける
「1時間だけだよ」「歯磨きをしたら使っていいよ」「ごはんを食べる前だけだよ」などルールを決め、それを守って使うことを習慣化させましょう。置き時計を近くに置いて、「長い針が○(数字)になるまでだよ」と教えることで、早めの時計の勉強もできます。

●ペアレンタルコントロールを設定する
子どものスマホ利用状況を管理できる「ペアレンタルコントロール」は必ず設定しておきましょう。

iPhoneユーザーにおすすめなのは「アクセスガイド」という機能。そのスマホで1つのアプリしか使えなくする機能で、必要に応じてホームボタンやボリュームボタン、キーボードを無効化することもできます。設定が多少複雑ですが、ゲームや動画のアプリを起動し、アクセスガイドを設定してから子どもにスマホを渡すことで、別のアプリへの移動や誤作動を防ぐことができます。

使っていないスマホを子ども用として使用する際には、iPhoneの「ファミリー共有」、Androidの「ファミリーリンク」を設定し、スマホやアプリの使用時間、課金やアプリインストールの許可などを事前に設定します。時間がきたら強制的にアプリやスマホが使えなくなるので、ついつい許してしまいがちな「あと5分だけ」というお願いや駄々にもシビアに対応できますし、想定外の課金や不適切なアプリの使用なども防ぐことができます。ファミリーリンクでは位置情報の設定もできます。

●リテラシーや知識を学ぶ
お兄ちゃん・お姉ちゃんがいる子どもはスマホへの関心が高くなりがちです。上の子もよかれと思って下の子にスマホを見せたり、使い方を教えたりするかもしれません。そんなときは「そのゲームは○○には怖いと思うよ」「あなたがそんなスマホの使い方をしていたら○○もマネをするよ」などと話をすることも大切です。

小学生以上の子どもたちは、私たちが想像する以上にスマホやインターネットに関する知識を持っています。YouTubeには小学生が作成した「学習用タブレットにゲームアプリを入れる方法」という動画が上がっていますし、Yahoo!知恵袋の「ペアレンタルコントロールを解除する方法はないですか?」という投稿にはいくつもの回答が寄せられています。親がこのような動向を把握し、正しいネットリテラシーを身につけておくことは実は非常に大事なことです。



子どもにプラスになるスマホの使い方

今、小学校ではタブレット端末を利用したIT教育を低学年から導入しています。いきなり揚げ物をするところから料理を身につける人がいないのと同じで、デジタル端末やインターネットも段階を踏んで慣れていくことが重要。数年後を見越して就学前からスマホを触らせることは、デジタル社会を生きるうえで有効な手段と言えるでしょう。

未就学児のスマホデビューの心強い味方になるのが、未就学児向けの知育アプリ。職業体験や時間の読み方など、質の高いアプリが各社から多くリリースされています。mamaomoiでもいくつか紹介しているので、ぜひ使ってみてください。


アプリで手軽に楽しく計算遊び! 算数学習アプリ「算数忍者~たし算ひき算の巻~」
https://mamaomoi.coopkyosai.coop/use/50219.html

楽しい仕掛けが作れるアプリ 「ピタゴラン」
https://mamaomoi.coopkyosai.coop/use/50197.html

たのしい!ひらがな - ひらがな練習アプリ
https://mamaomoi.coopkyosai.coop/use/50148.html



スマホではありませんが、amazonのタブレット「Fire」のキッズモデルは、年齢に応じた知育ゲーム、動画、絵本などのコンテンツが使い放題。使用時間の設定などのペアレンタルコントロールにも対応しているのでおすすめです。



子どもにスマホを持たせるのはいつからがいい?

NTTドコモ モバイル社会研究所の調査レポート (※)によると、子どもが自分専用のスマホを所有する年齢としてもっとも多いのは12歳、キッズケータイは7歳。それぞれ中学校、小学校の入学に合わせて購入する割合が高いことが明らかになっています。ただ、この結果を見て「スマホは中学生から」と安易に判断するのでなく、家庭の状況(親が共働きなので家族で連絡を取り合えるツールが必要、祖父母など見守りができる人数が多いからスマホは必要ない、など)を把握したうえで、以下のポイントが抑えられたタイミングと考えてもらいたいです。

◎子どもが「使う時間を守る」「夜ふかしをしない」などの約束を守れるか
◎親がスマホやインターネットにおけるリスクを知り、ペアレンタルコントロールができるか

(※)https://www.moba-ken.jp/project/children/kodomo20230227.html<2023年2月リリース>



少し前は、育児中にスマホを見せることを非難し、「スマホ育児」などと揶揄する風潮が多くありましたが、ママが子どもから片時も目を離さずに行動するのは不可能。加えて、ネットとの共存は今後もますます進んでいきます。「まだ小さいから…」と必要以上にスマホを遠ざけようとせず、正しく上手に活用する方法を親子で一緒に学ぶチャンスととらえてみてはいかがでしょうか。



mamaomoi 
 鈴木 朋子

鈴木 朋子/ITジャーナリスト、スマホ安全アドバイザー
システムエンジニア業務を経てジャーナリストに転身。安全なIT活用をサポートする「スマホ安全アドバイザー」として記事執筆、講演、SNSコンサルタントとして幅広く活動している。著書に『親が知らない子どものスマホ』(日経BP)、『親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)など。
https://tomoko.chu.jp/

関連記事 関連記事

pick up pick up